先日5月15日に走ってきたジュネーブマラソンのレポートです。
いつもながら超長いのでご興味ある方はお時間ある時に読んでいただければと思います。
コースの案内と目標タイムは、以下をご覧ください。
先に結果については、速報でお伝えしたとおりです。
また、大会事務局が各ランナーに素敵なビデオを作ってくれました。
嬉しいです。
先日のジュネーブマラソンの事務局が各ランナーにこんなビデオを編集してくれました。
— TETSUYA - スイスで走る、歌う弁理士 (@tetchiba) 2022年5月20日
ハーフ以降の苦しいところばかりの映像ですが(笑)、嬉しいです!
YOUR PERSONALISED VIDEO BY GENERALI SWITZERLANDhttps://t.co/Ziu1MWhOnQ
----------
前回、先月のチューリッヒマラソンではスタート地点に行けたのが比較的ギリギリになってしまったので、今回はかなり余裕を持ってスタート地点に向かいました。
スタート地点のスタート25分前の様子ですが、ノリノリの曲がガンガンかかっていました。
曲に合わせて踊っている(ウォームアップ代わり!?)人も沢山。
スタート25分前。ジュネーブマラソン。ノリノリの曲がかかってます。 pic.twitter.com/lf1HXh1OqK
— TETSUYA - スイスで走る、歌う弁理士 (@tetchiba) 2022年5月15日
先導者です。
この左側あたりで招待選手がウォームアップしていました。
もう既に一通りのウォームアップも済ませていて時間があったので、スタートゲートと一緒に写真を撮ってもらいました。
私自身の会場でのウォームアップは動的ストレッチと、ジョグ(1km, 1.5km, 1kmの3回に分けて)、そして流しを3本。
スタートラインは事前申告により3時間以内の枠に含めてもらい、スタート地点に早目に到着したため、2列目ぐらいに並ぶことができました。
すぐ前に男女招待選手が15名並んで(ケニアの方が多かった)、スタート前に一人一人紹介されていました。
みんな超速そうな風貌!
私の周辺の皆さんの足元を見ると、2/3以上がヴェイパーかアルファフライでした。
残念ながら私と同じHOKA Rocket Xを履いている人は周辺には見当たらなかったですね。
(他にはメタスピードやサッカニーを履いている人がちらほらいました。)
朝9時45分ですが、既に日差しがかなり強い。
フランス語でのカウントダウンの後、スタート!
(以下タイムはGarminタイムをベースに算出)
5kmあたり19:25〜19:45ぐらいが私の目標ペース。
■スタート - 5 km 19:22
招待選手の皆さんは軽やかなスタートダッシュとともに、あっという間に先の方に消えていきました。
前回のチューリッヒマラソンの時は後方からのスタートで、自分の目標ペースと同じぐらいで走る集団に早く追いつこうと焦ってフォームを崩した走りになってしまったので、今回はまずは、自分のフォームとリズムを作っていこうと意識。
入りは、3'53"/kmペースとかなり理想的に入れ、かつ、リラックスした感じで走れていたので、よし、今日は行くぞ〜、という気持ちでした。
2kmぐらいで同じぐらいのペースで走る人たちが固まってきて、その中で私と同じようなピッチ&ストライドで走っている2人(Adizeroのシャツの40歳前後の方と、激しい柄シャツの30歳前後の方)を特定し、この2人についていこうと。
背格好もそれほど違わない2人だったのでとても走りやすかったですね。
他の2人も私に対して同様の感じを持ってくれたのか、この3人で数百m〜1kmぐらいごとに引っ張りを交代しながら、平均で、3'52"/km〜3'53"/km付近のペースを比較的安定して刻めていました。
なかなか良い感じの出だし。
■5km - 10 km 19:38(トータル 39:00)
9時45分のスタート時の気温は19.4度でしたが、ほぼ雲がなく、既に日差しが強く、体感温度は結構高い状態。
それでもこのぐらいなら大丈夫と思っていましたが、この後、時間が経つにつれてグングン気温が上がる予報だったので、後半に脱水症状にならないよう前半から給水は小まめに取っておこうと考えていました。
最初の給水地点が5.8kmのところにあって、ペースを落とさず水を取ったのですが、フルマラソン歴が浅い私はまだまだ下手くそなので、ほとんど溢してしまいました。
これでは後半、脱水症状になるという不安を感じ、次の給水地点では少しペースを緩めてでも確実に水を飲もうと。
走りの方は相変わらず、Adizeroさん、柄シャツさんと3人で引っ張り合いっこしながら良い感じで進んでいました。
足腰も心肺も比較的楽な感じで、かなりリラックスして走れていました。
そして、9.4kmのところで2つ目の給水地点。
私はペースを少し落として給水しようと考えたので、3人の一番後ろに周り、まずは水を取って少し口に含んで残りは身体にかけて、もう一つ、スポーツドリンクも取って、こちらは確実に飲みました。
給水の目的は達成できたのですが、給水に慣れていないので(普段、30km走や35km走のときも無給水・無給食で走っているので給水動作を経験するのはレース本番のみ)、結構ペースが落ちてしまい、Adizeroさん、柄シャツさんから20mほど離れてしまいました。
これがこの日の敗因の始まりでした。
ここまで良いリズム、リラックス度合いで走れていたので、あの2人とこれからも走りたいと思い、少しペースを上げて追いつこうとしたのですが、今思うとここで少し無理したためにリズムやリラックスしたフォームが崩れてしまったような気がします。
しかも、給水で呼吸も少し乱れた状態。
自分ではペースを上げているつもりでも時計を見ると上がっておらず、前の2人との差も縮まらない。
少し焦りが出て、足に少し力が入る。
そうすると、余計なところに力が入ってフォームが乱れ、非効率な走りになり、力の割にはペースは一向に上がらない、という悪循環に。
■10km - 15 km 20:47(トータル 59:47)
そして、11km過ぎたあたりからコースは上り基調に。
これが追い討ちとなりました。
ペースが上がらなくて焦るし、前の2人にも追いつかないし、上り基調だから呼吸が荒くなり、頑張ってペースを上げなきゃと余計に足に力が入り、そして、逆にペースが落ちていく。
しかも、このあたりからかなり日差しによる暑さも感じ始め、息を吸うのが辛い。
この区間の平均ペースは一気に4分一桁秒台に落ちてしまいました。
■15km - 20 km 20:52(トータル 1:20:38)
この後、18kmあたりまで、細かいアップダウンを経由しながら、全体的には上り基調で、暑さもどんどん強く感じるようになって、気持ち的にかなりキツくなってきました。
この時点で気温的には25度ぐらい、体感温度で28度ぐらいだと思うので、普段の夏であれば、このぐらいでも全然走れるのですが、ジュネーブはごく最近まで私が走っている早朝時間帯は気温が一桁台だったので、暑さ耐性がまだできていない状態で急に20度ぐらい高いところで全力走している感じとなってしまったのがキツくなった要因かなと思います。
1週間ぐらい前から暑くなり始めてから、朝ではなく日中とかに走って、暑さ耐性を整えていければ良かったのかも。
---------
とにかくこの悪循環の状態を一度リセットしたいと思って、給水地点は完全にウォーキングに切り替えて、水を頭から被り、水とスポーツドリンクをしっかり飲んで、再び走り出す、ということをやりました。
ただ、ウォーキングを挟んだことで、ここまでの平均ペース(およびGarminのアプリが示すゴール予想タイム)がガクンと落ちてしまい、ここからかなりペースを上げて、2時間45分を切るのは難しいと感じてしまい、あ〜、もうこんなところで目標達成の見込みがなくなったぁ〜と精神的に落ち込んでしまいました。
この諦め癖はここ2回のフルマラソンでの悪い点ですね。
前回のチューリッヒマラソンと違い、目眩はなかったので、暑さに負けず、強い精神でもってこの時点で諦めなければまだサブエガできる(2時間50分は切れる)タイムだったのですが。
気力が完全に萎え、集中力が切れました。
■20km - 25 km 20:42(トータル 1:41:21)
20kmあたりからは下り基調。
ハーフ通過が1時間25分ちょうど。
まだぎりぎりサブエガは狙えるタイム。
このあたりの走っている様子が事務局制作ビデオに採用されています。
気力が萎えた中、下りのおかげで平均で何とか4分一桁秒台を維持。
ただ、給水だけはしっかりという気持ちが強く(ちょっと強過ぎたかも)、給水地点ではウォーキングで、水を2カップ、スポーツドリンクを1カップ取ってたので、給水地点が含まれる区間のラップペースが落ちていました。
■25km - 30 km 23:03(トータル 2:04:24)
下り基調が一旦終わり、細かいアップダウンがある区間。
3kmぐらいから以降、フランス国境近くの、葡萄畑や菜の花畑などの田園地帯を延々20km以上ずっと走っているので、周囲のあまり変わらない景色からも疲れを感じ始めました。
普段からもう少しこういった景色の中を長時間走って慣れておくことも必要ですね。
暑さも更に強くなってきて、この区間で呼吸も身体も一気に疲れを感じるようになって、ラップタイムがキロ4分半を超えるようになりました。
■30km - 35 km 22:39(トータル 2:27:03)
30.4kmの給水地点では完全に止まって、水を頭からかけ、水とスポーツドリンクをがぶ飲み。
おかげでラップタイムは、今回のフルマラソンで唯一、キロ5分を超えました。
32kmぐらいから2km弱、かなりの下りの区間になり、萎えた気力の最後の力を絞って、この下りでペースを取り戻そうと。
ただ、下りで無理にペースを上げると(しかも非効率になってしまっているフォームで)、その後の平坦に移行してから足が動かなくなると思ったので、セーブしないといけない、という気持ちも強く、結果、それほどペースは上がりませんでした。
(結果的には下りに任せてもう少しペースを上げても良かったかも。この辺りもまだまだ経験不足。)
この区間にはそこそこ長いトンネルがあるのですが、一時的に強い日差し・暑さを凌げて、あ〜、この快適さの中で走りたかった、と正直思いました。
このあたりの走っている様子が事務局制作ビデオに採用されています。
■35km - 40 km 22:28(トータル 2:49:31)
長い坂を下り切って平坦に入って、35kmを過ぎたところで、Garminの示すゴール予想タイムは2時間57分。
ここからはアップダウンもなく、また、普段週に2回ぐらい走っているランニングコースと重なるので、いつものリラックスした気持ち・走りで残り7km、サブ3ペース(4'15"/km)を維持できれば、今日はサブ3できるだろうと考えて、なぜか安心してしまったのも、後から考えるとよくなかった点かなと思います。
結果的に足腰はあまり疲れていなかったのに、切れていた集中力が更に切れてしまって今ひとつ走りに底力がこもらなくなり、普段の出力のイメージで走ってもキロ20秒ぐらい遅いラップタイムしか刻めない状態に。
もうサブ3ペースを刻めない状態になっていました。
■40km - ゴール 11:06(トータル 3:00:37)
ここで、家族が応援に来てくれていて、せめてその前だけは頑張って走ろうとしたのですが、もうあまり身体に力が入らず。
せっかく応援に来てくれたのに、またしても不甲斐ない走りを見せることに。
申し訳ない。
サブ3のペーサーおよびその集団に追いつかれるかなと思ったのですが、カーブのところで後ろを見ても、全く見えず。
(ゴールしてからもサブ3のペーサーは来なかったので、もしかしたら暑さか何かで途中離脱したのかもしれません。)
手元のGarminで41kmを過ぎたところで、Garminのゴール予想タイムを見ると、2時間59分ちょっと。
ぎりぎりサブ3は行けるかと思ったのですが、残り200mぐらいのところでゴールの電光掲示板の時計が既に3時間を超えているのが見えて、ここでもう最後のダッシュの気持ちも起こらなくなってしまい、バテバテ、フラフラしながらのジョギング状態でゴール。
(このあたりの走っている様子が事務局制作ビデオに採用されています。)
Garminのゴール予想タイムは42.195kmでの設定であるところ、当日は実際はもう150mぐらい多く走ったことになっていたので、予想タイムがずれていました。
(こうなることは最初からわかっていたので、ぎりぎりを考えるのはよくないですね。)
結果は、
- レース:42.195km(ジュネーブマラソン / Genève Marathon 2022 フルマラソン)
- 時間:3時間00分37秒
- 平均ペース:4'16"/km
- 平均ピッチ:183spm
- 平均ストライド:128cm
先月のチューリッヒマラソンに続き、2時間45分切り、サブエガ(2時間50分切り)どころか、サブ3もできずに、5回目のフルマラソンが終わりました。
以下、公式記録:
以下、Garminの記録:
今回、フルマラソンの他に、ハーフマラソン、10kmマラソン、キッズマラソンなども実施され、総勢参加者数は約1万5千人だったとのことです。
フルマラソンの最終的な参加登録者は男女合わせて2,000名弱だったようなのですが、完走してタイムが残ったのは男女合わせて1,426名。
その中で私は60位(男性だけだと52位)(エリートランナー含む)。
なお、当日は救急車が複数台出動したとのことです。
50代男性カテゴリだと、200名中2位でした。
おっさんの中ではこの暑さの中がんばれたほうだったのがせめてもの救いです。
優勝者は2時間10分台。
自己ベストが2時間5分台、6分台のエリートランナーが参加されていたので、この日はタイムを出すのは結構難しかったのかもしれません。
フルマラソン男子の表彰式の様子。
いただいたフィニッシャーメダル。
----------
今回の敗因を振り返ると、いくつか考えられます。
まずは、暑さ耐性。
これについては先述したとおりで、普段、涼しい(肌寒い)中を走っていたところ、暑さ耐性がない中、急に暑いところで走ったためです。
普段の夏ならそれほどでもない暑さをかなり暑いと感じてしまい、しんどくなってしまった。
次に、作戦失敗。
目標ペースは自己ベストのタイム(2時間44分30秒、3'53"〜54"/kmペース)を切るレベルで設定。
普段の練習は以下のジャックダニエルズ博士の計算式で算出されたタイムで実施。
ところが、この計算式には気温補正があって、気温15度を超えると、同じVDOT(走力)でもタイムが異なってきます。
私のフルマラソン自己ベストのVDOT(59.5)で算出されたフルマラソンの予想タイムは、
当日のスタート時の気温19.4度だと、2時間46分31秒(3'57"/km)、
ゴール時の気温27度だと、2時間49分59秒(4'02"/km)、
となります。
(体感気温は更にプラス2度以上。)
ところが、私は最初の5kmを3'52"/kmペース、次の5kmを3'56"/kmペース(9km過ぎまでは、3'53"/kmペース)で走っていたので、この気温だと私の走力では、キロ5秒以上も速いオーバーペースで進んでいたことになります。
10km以降、ペースを戻すことができなかったのは、フォームが乱れたのが原因と先述しましたが、この前半10kmのオーバーペースの方が強い要因だったようにも思います。
今回、春の時期の最後のフルマラソンなので、ここでなんとしても自己ベストを出したい、少々の暑さぐらい大丈夫だろうと安易に考えて、ペース設定をしたのが失敗要因だったのだと。
今回、暑さ耐性ができていない状況で、気温が上がる予報が出ていたことを冷静に受け止め、無理やり自己ベストを狙っていくのではなく、自分の走力を冷静に判断して適正ペースを設定していれば(上記の気温補正からすると、キロ4分前後)、最後まで体力・集中力・気力を保ち、ペースを維持できたかもしれません。
(結果的にはサブエガは達成できたかもしれません。)
なお、給水については今回、5kmぐらいごとの給水地点すべてで立ち寄り、ほぼすべてで複数カップを取ったので、幸い、良い練習になりました。
次回のレース時にはウォーキングまでいかなくても、少しペースを緩めるぐらいでもカップを取って飲むことができるのではないかと思います。
この点、少し経験値が上がったと思います。
また、普段、無給水・無給食で長距離でも走っているのに、今回はあまりにも暑さにビビり過ぎて、給水を取り過ぎた感もあると思います。
良い走りのリズムを崩さないということもかなり大切だと思うので、次回以降は給水とのバランスをうまく考えていきたいと思います。
大胆さと繊細さの出しどころを間違え感じですね。
(設定ペースで大胆になって、給水や下りの走りで繊細になってしまいました。)
----------
ここ最近は、VDOT算出式から以下のペースを目標にして普段走っています。
- E (Easy)ペース 4'26"/km-4'54"/km
- M (Marathon)ペース 3'53"/km(フルマラソン 2時間44分30秒)
- T (Threshold)ペース 3'41"/km
- I (Interval)ペース 3'23"/km
- R (Repetition)ペース 3'08"/km (75"/400m)
今後は、上記の考察を踏まえ、気温に応じて設定ペースも柔軟に変えながら普段走りたいと思います。
(怪我・故障の予防にもつながる。)
上記設定は気温15度までで、それ以上の時は、
気温20度だと、
- E (Easy)ペース 4'30"/km-4'58"/km
- M (Marathon)ペース 3'57"/km(フルマラソン 2時間46分47秒)
- T (Threshold)ペース 3'44"/km
- I (Interval)ペース 3'26"/km
- R (Repetition)ペース 3'11"/km (77"/400m)
気温25度だと、
- E (Easy)ペース 4'34"/km-5'02"/km
- M (Marathon)ペース 4'01"/km(フルマラソン 2時間49分4秒)
- T (Threshold)ペース 3'48"/km
- I (Interval)ペース 3'29"/km
- R (Repetition)ペース 3'14"/km (78"/400m)
気温30度だと、
- E (Easy)ペース 4'38"/km-5'06"/km
- M (Marathon)ペース 4'04"/km(フルマラソン 2時間51分21秒)
- T (Threshold)ペース 3'51"/km
- I (Interval)ペース 3'32"/km
- R (Repetition)ペース 3'17"/km (79"/400m)
次回のフルマラソンの予定は今のところ、10月2日のロンドンマラソン、10月23日のローザンヌマラソンです。
それらフルマラソンレース本番の時はその際の予想気温を考慮に入れ、その気温でのMペースを目標ペースに設定したいと思います。
(自分の走力が加齢に負けずに、今と変わらなければ。)
超長文を読んでいただきありがとうございました。
引き続き応援していただければ嬉しいです。
皆さんの応援が次への活力になります!
皆さまのクリックの応援が励みになります。よろしくお願いいたします。
にほんブログ村
マラソン・ジョギングランキング