Enjoy Running Life - スイスで走り始めた、歌う弁理士

2018年11月、48歳から海外赴任地のスイス・ジュネーブにて本格的に開始したランニングの記録

ジュネーブ日本人会の会報に寄稿した原稿(2021年5月のジュネーブマラソンでのサブ3達成)

2021年5月のジュネーブラソンにおいてサブ3を達成したことについて、先日、ジュネーブ日本人会の会報に寄稿させていただきました。

(会報は会員限定)

 

なお、レースレポは以下をご覧ください。

 

tetchiba.hatenablog.com

 

自分にとっての記録として、その寄稿した内容についてここに記載させていただきます。

(字数制限があるので、かなり凝縮した内容になっています。)

 

人生2回目のフルマラソンである、今週末のローザンヌラソンでは、この記録を越えられるよう頑張ります。

 

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「Enjoy Running Life」

 
本スタートの号砲は、鳴らない。今年のジュネーブラソンでは一斉スタートはない。事前登録した時間に静かに独りでスタートゲートを通過。これがコロナ禍でのマラソン大会の新たなスタイルの一つ。独りでの長い闘いの始まり。


赴任してから体重が増え、ダイエット目的で始めたランニング。最初は専用ウォッチで心拍数や速度等かがわかることが面白かったが、徐々に走ること自体の楽しさの虜に。各自の好きなペースで楽しめるのはランニングの良い点の一つ。いつしか毎朝、10km以上を走るまでに。体重は赴任中の最大値から約12kgも落ちた。身体を沢山動かしているためか食事量は増えたのに。


毎朝走っていると、笑顔で挨拶を交わす顔見知りが増えていく。ジョギングしている人、犬の散歩をしている人、清掃局の人、早めの出勤の人。ジュネーブらしく多国籍の人々とのすれ違いは楽しい。


最初の上り坂。一歩一歩リズム良く。ジュネーブの街は坂を見つけるのは容易い。近所で毎週取り組む坂道でのダッシュ練習はかなりきついが、加齢で加速度的に衰え始めている筋力や心肺能力を鍛え直すには打って付けだ。


10kmを過ぎて、ウェストベルトに備えた補給ゼリーを摂る。普段身体に蓄積されているエネルギーだけでフルマラソンを走り切るのは困難なため。ただ、ここでトラブル発生。お腹が痛い。普段、毎朝のランニング時には事前に何も食べず、走行中にも何も摂らず走っているので胃が驚いたか。


17km過ぎたあたりからは、右肩が悲鳴をあげ始めた。3ヶ月前のスキーで右肩を骨折し、その後の合併症の拘縮肩(五十肩のようなもの)で右肩がろくに動かずリハビリ中。何度も腕をだらんとしたが、重くて鈍い痛みが一向に消えない。


レース本番は、練習時にはない、様々なことが起こるものだ。腹痛、右肩痛、そして風はどんどん強く。おまけに直射日光が暑い。


タイム目標を松竹梅で用意していたが、思うように目標ペースに戻せない。もう松は望めないペース。ずるずる落ちていくペース。


折れそうな気持ちを支えてくれたのは、スタート時間は違っても同じコースを走っていて、すれ違う他のランナーとの挨拶、応援の掛け合い、そして応援に来てくれた、ジュネーブでのランニング友達の存在。


それらを最後の頼りに、もう止まりたいというネガティブな気持ちを抑えて、ペースの落ち幅を何とか最小限に抑えて、ゴール。


結果は、2時間56分。おかげさまで、50歳にして人生初フルマラソンで、世の中の市民ランナーの多くが大目標にしているサブ3(3時間切り)を達成。小学6年生のときに卒業作文に書いた「将来、42.195kmを走ってみたい」を40年弱経った今、実現。今回の全参加者(全世代)の中では27位、50代の中では3位。日の丸を上位に表示できたことは純粋に嬉しい。そして、ゴール時の達成感が半端ない。


走ることは苦しいことばかりではない。走り続けているとランナーズハイが訪れる。快感・恍惚感。気分をリラックス、あるいは高揚させ、大脳の働きを高め、アンチエイジング効果もある。30分程度の速歩きでも十分効果がある。


継続は力なり。私の座右の銘。続ければ習慣になり、習慣になれば楽に継続できる。皆さんも今日からまずは少し長めに歩いてみませんか。


最後に、走ることに没頭させてもらっている家族に感謝したい。